猫に付かれた家

職業弁護士。一男一女一猫の母。地域猫(3匹+α)の世話焼き中

雪夜の脱走そして帰還①

昨日、関東平野に大雪が降りました。雪は午後から降り始め、夕方強くなりましたが、それほど長引かずに止まりました。

 

f:id:fu-fukuhiro:20220107174304j:plain

このころは呑気に実家の最寄り駅の雪模様を撮影していました

 

ソラがリビングの掃き出し窓から脱走したのは、雪が止んだ直後の午後6時のことだったようです。夫が雨戸を閉めようとした隙に飛び出したといいます。

 

f:id:fu-fukuhiro:20220107174640j:plain

雪の降り始めを眺めるソラ。まさか数時間後にこの外にダイブするとは。

夫と私は、子どもを実家に預けていたこともあり、家から数十メートル圏内エリアを何周も回りました。途中、ありがたいことに、お向かいのTさんも捜索を手伝ってくれました。

雪が降った夜は積雪の反射で妙に明るく、しかしダウンコートを二枚重ねにしても骨の芯から痺れるような寒さで、たまに家に戻ってはお湯を飲みながら慌ててスマホで脱走猫の探し方などを検索し、飲み終えるとまた雪景色の外に出ました。

年末年始にソラを預かってくれていたTさんから、食いしん坊のソラはカリカリの音を聞きつけて寄ってくるかもしれないとアイディアを頂きました。そこで、いつものカリカリをいつものお皿に入れ、深夜の雪の上を、カラカラ、カラカラと乾いた音を立てながら、「ソラ、ソラ」と声を敢えて優しくして歩を重ねました。

12時前、いったん身体を温めるため家に戻り、ダウンコート二枚重ねのまま羽根布団にくるまり目を閉じましたが、夢の中でもソラを探していました。

 

f:id:fu-fukuhiro:20220107175409j:plain

動きがあったのは、草木も眠るときでした。

翌午前2時半過ぎ、立ち上がって玄関を開け、「ソラ」と呼びながらカリカリ入りのお皿を振りました。雪が氷に変わり始めた丑三つ時に、カラカラが反響しました。

それから布団に入ったものの、胸騒ぎが収まらず、3時過ぎにソラを探しに行こうと夫を起こしました。玄関を開け、相変わらずカラカラ鳴らしながら、隣の駐車場を抜けて北に向かおうと足先を変え、駐車中のシルバーの自動車の下を通りながら覗いたときのことです。

既に懐かしくなっていた、金色に光る真丸な猫の眼を、陰の中で見つけました。ソラでした。奇しくもソラが潜んでいた場所は、昨年11月に初めて出会った時と同じところでした。

 

f:id:fu-fukuhiro:20220107180735j:plain

ソラに初めて会ったとき。同じ駐車場、同じ車でした。
(保護時は撮影どころではありませんでした)。

「ソラ、おかあさんだよ」と、はやる気持ちを抑えて車の下に静かに声をかけながら、駐車場に這い蹲るように身体を低くして、これまたはやる気持ちを抑えながら、1メートル以上の距離を保ちつつ、お皿をカラカラ振りながらそっと地面に差し出しました。ソラは闇からゆっくり出てきて、お皿の匂いをかぎ、そのまま近づいてきて私の人差し指の先に鼻を付けました。そして指に左頬をこすりつけてきたので、今がチャンスと思って抱っこをしました。家に向かって歩き始めると、少しソラが暴れ始めたので夫が急いで鍵を開け、中に一緒に入りました。

こうしてソラの雪夜の脱走劇は、帰還により無事幕を降ろしました。

 

f:id:fu-fukuhiro:20220107214004j:plain

猫生はじめての雪中行で疲れたのか、今日は一日中膝の上でよく寝ていました。

次回記事では、ソラ脱走中に無事の帰還のためにやってよかったこと、改善すべき点(もう二度と発生してほしくはありませんが)をまとめたいと思います。